2008年6月8日日曜日

CHANGE!?


USAの大統領選挙でのオバマ候補があげるスローガンがこれなのだが、セネガルと長い付き合いがある人はこのワードに対して親しみやすくもあり、ちょっと信用できないようでもあり・・・といった複雑な思いを抱くと思う。
というのは、思い返せば8年前。ワッドが大統領選に勝利し、セネガルで歴史的な政権交代が起こった時のスローガンがSOPI=ウォロフ語でCHANGEのこと、だったからである。あのころ、アフリカで政権交代と言えば軍事クーデターなどで起こることが多かったときに、通常の民主的な選挙によって平和的にディウフの社会党からワッドの民主党に政権が交代した。それはセネガルという国の明るい未来を予想させるものだった。
しかし、8年後の今・・・セネガル社会を覆う不安、閉塞感はかつてないほどに高まっている。日本のメディアでも食料危機として取り上げられるほどだ。確かにセネガルは他の西アフリカ諸国に比べれば食料事情は困難だ。しかし、農村部はある程度自給しているし、都市部でも食料がないわけではない。問題は価格が急騰していることなのだ。物価というのは不動産価格がある程度基準となるわけだが、ダカールの不動産価格は異様に高い。これは93年にコートジボワールのボワニ大統領が亡くなってからの政治的混乱のために、アビジャンにいたアラブ系あるいはフランス系の金持ちが大挙してダカールに押し寄せたことによるところも大きい。もちろん、これにはいい点もたくさんあった。ダカールでは企業がいくつもおこり、労働市場も活性化した。
しかし、不動産の価格が通常のサラリーマン(公務員など)がとうてい一生かかっても払いきれない価格レベルに達し、もともと高いセネガルの人件費をこれ以上あげるわけにはいかず、また原油価格のコンスタントな上昇によって産油国でないセネガル経済はバランスを失ってしまったのだと思う。
だから、オバマ候補のCHANGEという言葉を鵜呑みにして楽観的なEnthusiasmeに踊る気にはならない。
それは一種のバブルであって、長期的視野に欠けるものだ。そのCHANGEは「革命」ではなく、むしろ1つのパラダイムシフトと考えて自分の立ち位置を慎重に調整することが求められることなのではないだろうか?

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