2008年9月5日金曜日
FADA(ニジェールのドラマ)
TV5で毎日やっているこのドラマ(Feuilletonと言います。)、てっきりまたブルキナのかな?と思い込んでいるのですが、クレジットにおなじみのOuedragoが出てこないのでアレ?っと思っていたら、なんとニジェールで制作されたドラマでした。
こういう連続ドラマはアフリカでは人気があります。特に中南米で制作されたTelenovelaと言われるものは人気が沸騰して時に社会現象にまでになります。今まで一番すごかったのはMarimarというドラマ(Thaliaが主演)で、この時は放映時間になるとダカールの街が完全にストップし、衝撃的なシーンではあちこちで叫び声が聞こえるという熱狂ぶり。ダカールの街にはバナバナと呼ばれる行商人が信号待ちをしている車の横にいろんな商品を持って売りにきます。で中には写真の額なんかもあって、これにはSerigne Touba(トゥーバのマラブー)の写真とかが入っているものなのですが、あの頃はThaliaの写真が入った額がたくさんありました。
最近では2年ほど前に放映されたBarbara Mori(日系人の父を持つウルグアイ女優)の主演したRubiがあります。これは中南米でブレークしたあと、アメリカのラティーノコミュニティで人気となり、アフリカでブレーク、最終的にはフランスでもM6で放映されました。その後はUgly Bettyがあります。これは、オリジナルはコロンビアで制作されたものですが、以前のTelenovelaと違って各国でいろんなバージョンが作られています。フランスではお隣のドイツで制作されたDestin de Lisaが人気となりました。
さて、話が脱線しましたがブルキナではFespacoというアフリカ最大の映画祭が開催されることもあり、映像文化という意味では最も進んだ国です。テレビドラマとしてはTV5で放映されていたBobo Dioufというコメディが大変な人気でした。この人気に乗じた各国でのコメディ制作が行われ、コートジボワールのMa Familleなどが人気を博しました。セネガルでは制作されるときにウォロフ語での制作となるため、ローカルな人気はあるものの、他国で放映などはされませんでした。
さて、このFADAですが、ニジェールの東の都市、ザンデールを舞台にしたかなりシリアスな青春群像ドラマのようです。制作にはCFI (Canal France International) が協力し、映像としても高品位なものになっています。登場人物が少々多めで、中には役者としてちょっと大根なのではないか、セリフが棒読み(特に女優がひどい)とかもありますが、ガマンできるレベルです。シナリオはなかなか凝っていて、アフリカの現在の若者が抱える問題などをえぐり出しており、野心的です。こういうドラマが、一国だけでなくTV5のようなマルチナショナルなTV局の電波に乗って全世界に放映されている、というのはとてもいいことだと思います。(残念ながらTV5は日本では見られないようですが、サイトからいくつか見られるようです。)また、スイスの協力庁およびCare InternationalというNGOが協力しています。これは面白い国際協力だと言えるでしょう。若者の問題を扱うことで教育や保健などの重点分野にも影響があり、TV5の電波に乗ることで裨益人口は一国に限らず仏語圏全体に広がりを見せます。しかも先進国でも見ることができ、テロップに協力機関の名前が出ますから宣伝効果も大きくなります。こういった賢い国際協力の1つの結実だと思います。
欲を言えば、せっかくこれだけきっちり作っているのだからWebでも宣伝するべきだと思います。
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