2009年4月26日日曜日

Senegal:ASIついに運行中止?


ASI (Air Senegal International) 問題についてはこれまでも3回取り上げてきました。はじめは昨年11月のこの記事、次に今年2月の記事、そしてこの記事の後、6月末につきつけられたモロッコ側の最後通牒にセネガル政府が先手を打ってRAMがASIから手を引けないように画策します。そして今月10日の記事、ここでASIがいよいよ危機に立たされることになるわけです。この記事を書いた時は日本にいたので現地の状況もうまくつかめなかったのですが、すでに機体がセネガルの外に出たのを見計らって、ASIのフリートBoing 737の3機のうち2機(RAMがASIに貸与している)をモロッコに引き上げてしまいます。そしてASIに残されたのは1機のB737と古いプロペラ機1機となります。それでもASIはがんばりを見せ、一応運行を行っていたようです。ダカール空港に着いた時、真っ白な無印機体が止まっていたのですが、これは多分ASIがどこかからチャーターした飛行機じゃないかと思います。そして昨日ついにASIは全く運行できなくなり、全フライトをストップせざるを得なくなったようです。(Afrik.comの記事)セネガル政府はモロッコ側と大臣レベルでの話し合いを持つアプローチをしているようですが(Bloombergの記事)、困りはてているのは各地に取り残された乗客たちです。RFIによるとパリをはじめとして各地に500名ほどの乗客が取り残されているようです。少ないな、とも思いますが逆にそれだけまだ知らなかった人がいたのか?という気もします。それにしても、今回の混乱は前にも書きましたがセネガル側が一方的に悪いです。ASIは2000年の就航以来、この地域で最も信頼のおける優れた航空会社という評判を得てきました。もちろん、この評価に対するセネガル側の努力がなみなみならぬものであったのは事実だと思います。実際、親会社のRAMのフライトよりもASIの方がいろんなサービス面でよかった時すらあります。しかし、これはモロッコからの資金と新しい機体の貸与、腕のいいパイロットの提供、様々なノウハウの提供の上に成り立っているということを忘れて「自分たちだけでできる」と過信してしまったのが間違いの元・・・非常にセネガル人らしい間違いをおかしたのです。そして、有り体に言って儲けを1人じめしようと画策したわけです。これもお役人らしい考えなのですが、ビジネスの世界ではそんなことは通るはずがありません。さらにセネガル政府は司法に訴えて食い下がったわけですが、これまたビジネスの世界では金をストップされたらいくら司法がどうこうしても終わりなのです。飛行機を飛ばせない航空会社なんてただのお荷物です。ASIはウハウハな儲けの出る会社から金のかかるお荷物に変化しました。本当にバカなことをしたものです。つくづくセネガル人にはビジネスセンスがないと思います。そして、こんなことをして、誰かがASIを買う気になるでしょうか?ビジネスでは信用が第一、というかすべてでしょう。それなのにその信用を裏切った上に、無駄な上から目線でビジネスパートナーを扱ったりしたら信用は失墜します。今はまたお大臣が出てきてなんとかしようとしていますが、これも逆効果じゃないかと思います。セネガル人の悪いところに何でも政治で決着をつけようとするところがあります。人としてモラルとしてどうかという問題も政治家がしゃしゃり出て丸くして通してしまう。何でもそうなのです。今回の事件も結局はワッドが出てきてモロッコの王様と話を付けることになるのでしょうが、失墜したASIの信用、悪評は長くこの会社の運営に陰を落とすことになるのは間違いありません。

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