2008年5月5日月曜日

MSがYahoo!買収を断念

ということは最初から予見していた人は多いのではないだろうか。やはりYahoo幹部にはMS嫌いが根強くあること、企業文化の大きな違いはもし買収が成功したとしても前途多難であることを余儀なくされるわけで、これは両者にとって喜ばしいことではない。現状から言えばMSもYahooも勝ち組というのからはほど遠い、意地悪な言い方をすればどちらも「落ち目な」感じ。
その2つが合体したところで、しかも多大な犠牲を払って、何が改善されるのかさえ不透明なことをすることに意味はないという結論なのではないだろうか。Googleに比べたらYahooのMS嫌いは生易しい。実際、YahooはいまだにActive Xベースのサービスをやめたわけではない。(そのこと自体が「落ち目」の原因・・・という気もするが。)
もちろん、今現在の状況を言えば台湾や韓国の企業に比べて米企業は全般に元気がない。多分サブプライムなどで金巡りが悪くなっていることも影響しているのだろう。Googleでさえ、新しいものを出してきていない。かろうじてAppleは次世代iPhoneという明るいトピックを提供しているようだが・・・
とにかく、MSのYahoo買収失敗は決して値段の折り合いの話ではないと思う。むしろ、これは企業文化の全く異なる2つのイデオロギーの戦いであったのだろう。オンラインサービスを中心とする企業がいわゆる古典的大企業に買収されてその後成功したという例は残念ながらまだない。AOLしかり。Exciteしかり、AltaVistaしかり。どれも、サービスそのものは継続しているものの話題の中心にはならないサービスだ。
アップルはこの分野には.Mac以外は手を出していない。むしろiTunesを中心として古典的大企業よりの戦略で成功をおさめているのが面白い。ハードとソフトとサービスのあり方というアプローチにおいて、アップルは自社しかできないことをやってそれを認めさせてしまった。
もちろん、このアップル的アプローチに私的には不満がある。アップルのサービスは局地的なのだ。アフリカでどれだけアップルのサービスの恩恵にあずかれるかというと、ほとんど「無理」。Apple TVが日本で売れなくても当然だ。アメリカと違って日本のiTunes Storeはコンテンツが非常に限定されている。YouTubeを見るためだけにApple TVを買う人は少ないだろう。
しかし、それでもMSとYahooの合体よりはアップル1社の方がまだ明るい未来を見せているように思うのだ。Yahooの拒絶が巨大化路線を突き進むMSに再考を促す機会になればいいのだが。明日また詳しく書くが、Ubuntuがこれだけ進化してくると、Windows離れは必然的になってくると思う。

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