2008年1月8日火曜日

DRMの終焉

AppleのスティーブジョブスがDRMに関する公開書簡を出してから1年足らず。最初はEMIが、そしてユニバーサル、最後にソニーBMGがDRMフリーの音楽ファイルを正式に発売し、実質上DRMは終わった。わずか1年足らずである。素晴らしい速さ、というかジョブスがあれを出したタイミングがすごすぎたのかもしれないが。
もちろん、すべてがDRMフリーになったわけではなく、いぜんDRMのかかったファイルはまだ健在である。しかし、それはほとんど有名無実なものになりつつあるのだ。
しかし、DRMが死ぬということの影響はさらに「ファイルフォーマット」の戦いを、汎用でオープンなフォーマットに有利に働くという形で及ぼしていくだろう。数年前までファイルフォーマットというものは、ソフトウエアの開発会社が独自に定めるものだった。汎用フォーマットは存在したがそれはソフトウエア間でデータをやりとりするためのツール的位置づけだった。思い出すのは表計算の汎用フォーマットであるSYLKやテキストの共通フォーマット.txtだ。しかし、インターネットの普及はこの汎用フォーマットの必要性をほとんど「汎用が標準でなければならない」というレベルまで押し上げた。htmlをはじめjpegやgif、pngそしてAdobeのpdfやswf、そしてflv。
そうした結果オフィススイートにもオープンソース標準化の波が押し寄せていて、それがこれらのアプリをオンラインで行うWebアプリに置き換えようという動きになり、それを中心とするgOSのようなOSまで現れている。
DRMの死はMP3標準化を否応無しに押し進め、その他の音楽フォーマットを次第にマージナルなものにしていくだろう。

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