2007年8月11日土曜日

滅びゆくDRM


Steve Jobsのあの美しいDRM書簡、そしてそれに呼応するようにEMIがDRMを廃したデジタル音楽を販売しはじめてからしばらくたちました。今度はUniversal(レーベルの中では最大手)がDRMなしの音楽をオンライン販売するそうです。ただしiTunes StoreではなくGoogle、Wal Mart、Rhapsodyなどなどです。
GIZMODOさんの分析によると、Universalが今回試したいのは非DRM音楽のインパクトではなく、iTunes Store以外のオンライン音楽ショップの実力だというのですが、それはかなり手厳しい分析だと思います・・・
しかしUniversalがテストと称しても非DRMに手を出すということは大きな流れとして業界が非DRMを考え始めたということで、評価できるのではないでしょうか。
そして世界はジョブスが描いてみせた美しい世界への歩みを一歩進めることになるのでしょう。
日本では某著作権団体がうるさすぎて多分無理でしょう。

さて、アフリカにも音楽はたくさんあり、ミュージシャンもいっぱいいて、音楽は1つの産業です。しかし、市場では非常に安い価格でCDが出回っています。もちろん、海賊版もありますが、正規版でも十分現地の人の手の届く価格で売られているのです。
日本だと正規版CDはアルバムで3000円前後ですが、こちらでは1500FCFA(約400円)が相場です。海外ミュージシャンの海賊版もだいたい同じ価格で売られています。正規版は高くて買えません。(最低賃金の1/4もする。)
現地のミュージシャンは適正な価格で正規版を販売できるのだから、インターナショナルミュージシャンを多数抱える巨大レーベルが同じことをできないわけはない。それを「してない」ことが問題なのです。

これはYouTubeなんかの新しいメディアにも言えることですが、今までは売り手が自分の都合の良いように売ってきていて、消費者はそれをただ受け入れるしかなかったわけです。でもこれからは作品をリリースする側が消費者のニーズに近づくという努力をしていかなければならないのではないでしょうか?
DRMをめぐる動きをみていると、そう思えます。既得利権にしがみついて本来あるべき理想的な作品流通の姿を見えなくなったらおしまいです。もっとBigger Pictureを見ることが重要なのだと思います。

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