2007年7月27日金曜日

Linuxはアフリカに定着するか?


現在の状況から言うと、ここらあたりのネットカフェを見る限り、全体のシェア予想は98%くらいがWinで2%くらいがMacなのではないかと思う。企業で使われているPCは正規ライセンスだろうが、ネットカフェなどではその大部分が違法コピーだと思われる。MSは違法コピーのアップデートをさせていないから、これらのほとんどが非常に脆弱な状態のままネットに接続されていると言える。現在は接続速度のリミットがきついので、それこそ「踏み台」にされることは少ないのだろうが、これがスピードアップされればいろんな攻撃の踏み台にされる可能性は高い。またウイルスをばらまく温床になっていくだろう。アフリカにおいて違法コピーを使うのはまったく罪悪感がないし、ウイルスをばらまくことも、無駄なトラフィックを盛大に発生させることにも全然罪悪感はないのだ。言ってみればネットにおけるマナーというものが存在しない。

IT普及における「慣れ」の重要度は高く、一度あるOSに慣れてしまうと、他のOSに移行するのはおっくうになる。特にWinは習慣性の強いOSだと思う。「ユーザにとっての便利さ」を追求した結果、ユーザが自分で’何を実際にやらせているかを理解することなしに何でもマウスのクリックとコンテクストメニューによって出来てしまう。特に初心者はこの見た目の便利さにハマりやすく、その結果ファイルが通常の何倍の大きさになろうと、それを送りつけられて開くのに閉口しようと気にしないのである。

しかし、新しいWin OSの要求するマシンスペックが増大するにつれて、古いマシンでは動きがトロくなってくる。その間にLinuxは急激な成長を遂げたと思う。ただ、知る人が少ないのである。Linuxを知る人が増えれば普及すると思う。問題点として今のLinuxディストリビューションのほとんどがインターネット常時接続を前提に作られているということだ。KNOPRIXなどを除いてはインストール時にもインターネット接続が必要とされる。(このプロセスを手動でスキップさせることは可能)
つまりネットインフラの脆弱なアフリカでは厳しいのである。

確かに、ここ数年でアフリカのネット事情は大幅に改善したとは思う。セネガルのADSLは安く安定しているし、ベナンなどでは無線接続が普及しつつあり、WiFiスポットさえ登場している。ニジェールでさえ、ADSLが登場した。(しかし安定はしていないらしく、相変わらずブラックアウトしてることが多い・・・)表面上はかなり先進国に近づいてきているように思う。
それでもまだ難しい。現代的なコンピュータというのはWinであれ、Macであれ、Linuxであれネットインフラを基本として作られている。ネットがなければコンピュータの持つポテンシャルのほんの一部しか使うことは出来ない。
例えば学校にコンピュータを導入しても、インターネットに接続していなければ、できるのはワープロ、表計算、ゲームと簡単なお絵描きくらいなのである。

ここで登場するのがOLPCプロジェクトである。これについてはまた改めて書こうと思うが、いわゆる「100ドルですべての子供にラップトップを」というプロジェクト。そしてOLPCが採用しているのがFedora CoreをベースとするOLPC用のLinuxなのである。つまり、子供がLinuxに慣れるということはOLPCを卒業した後もLinuxを使い続ける公算が高い。もちろんMSもこのことには気がついていて、「途上国向けにはWin+Officeを30ドルで提供する」などと言っているが、これは多分海賊版をさらに増やす結果にしかならないだろう。30ドルで「売ることが出来るモノ」を数百ドル出して買うのはオタクだけだろう。

ゆっくりではあるがLinuxはいずれアフリカに定着するはずだ、と思う。

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